2011年01月
【そけいヘルニア】
そけい(鼠径)とは下腹部で大腿の付け根部分のことをいい、ヘルニアとは、体の組織が正しい位置からはみ出した状態をいいます。そけいヘルニア(鼠径ヘルニア)とは、本来ならお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、多くの場合、鼠径部の筋膜の間から皮膚の下に出てくる病気です。一般には脱腸と呼ばれている病気です。発症しやすい年代としては、乳幼児~小児期と 50~60才代の成人に多いとされています。日常よくみられる病気で、日本では年間13~15万人が手術を受けているといわれています。
【症 状】
初めは立った時、お腹に力を入れた時に鼠径部の皮膚の下に腹膜や腸の一部などが出てきて、柔らかいはれができますが指で押さえると引っ込みます。しだいに小腸などの臓器が出てくるようになり不快感や痛みを伴ってきます。はれが急に硬くなったり、膨れた部分が押さえても引っ込まなくなることがあり、お腹が痛くなったり吐いたりします。これをヘルニアのかんとん(嵌頓)といい、急いで手術をしなければ命にかかわることになります。
【診 断】
立った時、またはお腹に力を入れた時に鼠径部が膨らむことから簡単に診断はつきます。そのため視診、触診以外の診断法は一般的には必要とされません。
【治 療】
基本的には手術をしないと治りません。手術方法としては人工補強材(メッシュ)を使用することが一般的です。メッシュ法は従来の術式(メッシュを使用しない方法)に比較して、術後のつっぱり感・痛みが少なく、再発率が低いといわれています。現在、ほとんどの医療機関ではメッシュを使用しています。メッシュの種類にはメッシュプラグ、PHS、ダイレクトクーゲルパッチなどあり、それぞれ構造が異なり、メッシュを挿入する手技も異なります。どのメッシュを使用するかはヘルニアの種類などを考慮し、適切なメッシュを選択します。そけいヘルニアは、短期入院で痛みの少ない麻酔・手術での治療が可能です。どうぞお気軽に当院の外科へご相談ください。
最後に自己紹介をさせていただきます。私は福島県二本松市出身で、平成12年に旭川医科大学を卒業し、福島医科大学第一外科へ入局して勉強してきました。専門分野は、消化管外科(とくに胃・大腸)及び鼠径ヘルニアです。よろしくお願いします。
外来受付:毎週水曜・金曜(午前9時~12時)










